前回のガイド
[link]Entityの作り方
マップを遊ぶ上でBrush以外にもう1つ必要なものがあります。
ゲームを遊んでいればわかると思いますが、プレイヤーの出現する位置
というのは大体決まっていて、急に敵陣のど真ん中にスポーンするということは普通ありません。
そういった目に見えない情報を指定する為にはEntityをマップに置いて認識させなくてはなりません。
Entityがなければプレイヤーをスポーンさせることもできないのです。
ツールからEntity Toolを選択し、3D Viewで箱の中の床をクリックしてください。
棒立ちのテロリストが出現するので、Selection Toolに切り替えてダブルクリックします。
すると画面に新しいウィンドウが表示されます。ここでEntityの詳しい情報がわかります。
今作り出したEntityは”info_player_terrorist”というもので、要は、
“置いた所にテロリスト(T)を1人スポーンさせる”役割をもったEntityです。
同じような性質のEntityとして”info_player_counterterrorist”というものがあります、これはカウンターテロリスト(CT)をスポーンさせる為のEntityです。
マップではT、CTどちらもスポーンさせるようにしたいので、お互いに1つづつ作ってみます。
同じようにEntity Toolから新しいEntityを作りダブルクリックしたらClass名にあるプルダウンメニューから”info_player_counterterrorist”を選択するか、もしくはClass名から直接手入力してください。該当する名前を含んだEntityが表示されます。
選択できたら右下の適用ボタンを押します。
これらのEntityの注意点として、スポーンした場所が地形に重なっている場合、存在しないものとして扱われてしまいます。また、プレイヤーを”1人”スポーンさせるものなので、
例えばT10人、CT10人で遊びたいマップを作るときにはそれぞれ最低10個づつ配置する必要があります。1つ設置したからといってそこから何人もスポーンすることはできない、ということです。
逆に、10個設置したのにプレイヤーが5人しかいなかった場合は10個の候補の中からとある法則に従った上で、ランダムに5つが選ばれます。
Compiling
最低限マップを遊ぶための環境が整ったので、Hammer左上のFile→Saveでマップ名を入力して保存したら、実際にゲーム内でマップを見てみましょう。
しかし、今Source Sdkで作っているのはvmfというマップの素のようなもので、
実際にCounter-Strike: Sourceでプレイするためにはこのvmfをbspというファイルに変換させる必要があります。このvmfからbspに変換させる流れの事をコンパイルといい、
逆にbspからvmfに変換させる流れの事をデコンパイルといいます。
Hammer左上からFile→Run Mapを選択、もしくはツールメニューからをクリックしてください。
するとこのようなウィンドウが表示されます。ここでどのようにコンパイルするか設定ができます。設定できるのはマップの形状処理や、最適化の処理、光源処理といったもので、基本的に全てNormalで大丈夫です。
Run RADの右にあるHDRにチェックを入れるとより光源がより細やかに描写されるようになりますが、コンパイルに掛かる時間は長くなります。
マップをテストする時は何度もコンパイルし直す事になるので画像のようにRun VISとRun RADをFastにするとより早くコンパイルが完了します。
コンパイル完了時にCounter-Strike: Sourceが自動起動されますが、起動したくない場合は下にあるDon’t run the game after compilingにチェックを入れてください。
設定が完了したらOKを押します。
コンパイルにどれくらいの時間が掛かるかは、マップの大きさや最適化、コンパイルの設定、パソコンのスペック等に大きく左右されます。
大きなマップだとコンパイルの設定次第で数時間以上掛かることもあるので気長に待ちましょう。
コンパイルが始まるとHammerの左上に進行状況を表示するウィンドウが出現します。
作業が完了するとウィンドウの下にCopy to Clipboardと表示されるのでそれまで待ちましょう。
vmfを保存したフォルダにマップのbspファイルが出来上がっているはずので、
それをCounter-Strike: Source→cstrike→mapsフォルダにいれます。
これでCounter-Strike: Source側でマップを読み込む準備ができたので、早速見てみましょう。
Counter-Strike: Sourceを起動して、サーバー作成から自分の作ったマップを選択したあと開始をクリックしてください。
これでまともにマップを遊ぶことができるようになりました。
次回はBrushの分割、texture、skyboxについて説明します。
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