Overview
本作は非常に面白いボードゲームなのですが、ウェブを調べてもガイドや攻略法というものが多いとは言えません。またそれらの手引についても「この指導者は強い」「この驚異は強い」「この技術は強い」という見方に重点が置かれている事が少なくありません。それはそれでとても役に立つものだとは感じますが、ゲーム全体の流れとしてどうすれば良いのか?という点においては不足しているように感じました。そこでこのゲームをそれなりにプレイしている自分が、自分なりに初心者を卒業する為にはどうしたらいいのか?という事を書こうと思い立った次第です。と言っても私自身もまだまだ中級者、あるいはせいぜい中級者から上級者の階段に足をかけようかという実力に過ぎないので、本当の上級者の人達から見るとツッコミどころも少なからずあるものと思います。そういった点について、補完、ご指摘などして頂ければ幸いです。
はじめに
ガイドの基本情報にも書きましたが、本ガイドにおいては「この指導者は強い」「この驚異がオススメ」といった情報よりも、ゲーム全体の流れを通して「どうプレイすれば他のプレイヤーから置いていかれずに済むのか」を重視しています。
基本的にカードセット:ランダムミックス、ルール:デジタルでの3~4人のマルチゲームを念頭に置いているとお考え下さい。
このガイドはあくまでも初心者を卒業する為のガイドです。要するに「野良マルチの4人戦で3位か4位ばかり、ほぼ勝てない」という状況を回避する為のガイドに過ぎません。その点をどうかご理解頂ければ幸いです。
0ターン目
貴方の手番に応じて内政アクション(以下、白丸)が与えられます。
手番に応じた行動を考えましょう。
まず、できる限りこれは避けるべきというのは「文化遺産」「備蓄」のカードを取ること。
前者は科学1と文化4、後者は食糧と鉱物1(食糧との違いを明確化する為に鉱物という表現をここではさせて頂きます)をそれぞれ生み出しますが、同時に白丸1を消費することになります。序盤の白丸はとにかく貴重、割に合いません。また序盤は勝利点である文化の価値も非常に低いです。下手に取ると手札として消化できず手札上限に引っかかって邪魔になる事もしばしば。これを取るぐらいなら白玉を残して0ターン目を残してもいいでしょう。
反対に黄色カードの内、「大技術者」はどの時代でも「肥沃な土地」「効率的改良」や「都市成長」と比べて鉱物が1つお得。驚異の建造を目指している場合は取り得も同然です。
1.貴方の手番が1番である場合
白丸は1つしかありませんから、当然、白丸1の5つのカードの中からどれかを選択する事になります。
デッキの白丸3のカードは2人であれば1ターン目に100%全てが残りますし、3人でもよほどの事が無い限り全てが残ると考えていいでしょう。4人の場合でもピックされてもせいぜい1枚まで。4枚以上はほぼ確実に残ります。
つまり、白丸3の中に自分の好みの指導者や遺産があるようであれば、無理して0ターン目に指導者や驚異をピックする必要はありません。「肥沃な土地」や「都市成長」「倹約」「天才技術者」と言ったカードをピックしても良いでしょう。
2.貴方の手番が2番である場合
「天才技術者」、よさげな指導者、驚異の内2枚をピックできれば言う事はないですが、まぁなかなかそううまくは行きません。また時代Aは非常に短い為、よほど引っ張るつもりが無ければ指導者に白丸2つを注ぎ込みおしまい、というのは勿体無いかも知れません。基本的には上記3枚の内1枚と「肥沃な土地」「都市成長」「倹約」から1枚という形になりがちです。
3.貴方の手番が3番である場合
白丸1の有用なカードが3つとも残っているということはまず無いです。大抵は白丸2と白丸1のカードを1枚ずつ取ることになるでしょう。時によってはまともなカードがないということも十分にあります。まだ場に出ていないカードから、今後出てくる可能性がある驚異や指導者を推測しつつプレイしましょう。
4.貴方の手番が4番である場合
白丸1の黄色カードは「文化遺産」or「備蓄」しか残ってない、なんて事もよくあります。そうなると白丸2の5枚のカードの中から2枚という事が多いんですが、これまた3番手のプレイヤーが1番よさげな白丸2のカードは持っていった・・・というパターンが多く、どうしても憂き目に合いがちです。白丸1のカードがカスしかない+魅力的な白丸3のカードがあるという場合は、白丸3のカード1枚をピックし白丸を捨てる形でターン終了という選択肢も十分に視野に入れて良いでしょう。
Q.0ターン目に取るべき黄色カードは「倹約」「肥沃な土地」「都市成長」どれを優先すべきなのか?
これは臨機応変に、の一言につきます。
幸福に余裕が作れる指導者「ホメロス」、驚異「空中庭園」「コロシアム」「ストーンヘンジ」との相性は「倹約」の方が良いでしょうし、一方で人口増加に自信があるモーゼは鉱物の方が重要になる可能性が高いでしょう。「肥沃な土地」と「都市成長」のどちらが良いか?と訊かれた場合、基本的には「都市成長」かと思います。理由は色々あるのですが、最も大きな理由を挙げるとすれば、その方が受けが広い、という事。鉱物は腐敗しますが、テクノロジーはイベント「暗黒時代」と侵略や戦争で奪われる以外に失う事がありません。また、時代Ⅰに早めに「鉄」を取った場合には鉱山の数を増やさずに「鉄」2つで回す、という戦略もある為です。とは言え、これも絶対とは言い切れません。周りの動向、見えているデッキ等を確認して総合的に判断しましょう。
時代A~時代Ⅰ
この時期に初心者が「大きく置いていかれない為に」「決め打ちしない為に」した方が良い事を4つほど感じました。まずはその4つについて触れましょう。
1.軍事アクション(以下、赤丸)を3にすること
これは特にマルチだと非常に重要になります。
赤丸2つのままだと軍事カードの引ける枚数が少なくなりがち。当然、「戦術カード(部隊による戦力ボーナスを与えるカード)」「ボーナスカード(植民地獲得や防衛時に戦力となるカード)」を引ける可能性も低くなります。また、既知の公開された戦術を採用する場合は赤丸2つを消費する為、同ターンに部隊を新たに作りつつ公開戦術を採用する事もできません(「愛国」を取った場合や自分の手の中に公開戦術と同様の戦術があり、そこから採用する場合は除く)。そして、対戦相手から侵略された時に軍事カード2枚しか防衛に使えない為、僅かな軍事力の差でも侵略されてしまう可能性が高くなります。それを防ぐ為にも、まずは赤丸3つを目指しましょう。
具体的に赤丸を3つにする方法については
・指導者で増やす(「ユリウス・カエサル」「ジャンヌ・ダルク」「ヤン・ジシュカ」)
・驚異を作る(「コロッセオ」)
・時代Ⅰの政体(「君主制」または「神制」)を開発、採用する
・特殊技術の「戦闘」を開発、採用する
・「国境開放条約」を対戦相手の誰かと結ぶ
この5つの方法があります。この内、指導者で増やす方法や時代Ⅱが終わると自動的に期限が切れる「国境開放条約」は一時的な繋ぎで恒久的なものではありません。赤丸については戦争をするつもりがない場合でも時代ごとに1つずつ、基本的には増やしていきたいところです。中には実にうまく赤丸を適宜使うことで時代Ⅲの初頭まで3つで済ませて勝利する優れた軍師もいますが、私のような凡人は常道を行くしかありません。
やむを得ない理由で赤丸が2つのままになってしまった場合は、軍事力トップとの軍事力差が2以内になるようにし、その上で、ボーナスカードを1枚は持っておきましょう。
2.「剣士」または「騎士」の技術を開発し採用すること
最低限の防衛すらできない軍事力では対戦相手からの侵略も防ぐことはできません。その為にはやはり「剣士」または「騎士」の技術が必要です。一部の上級者ではどちらも採用せず時代Ⅱまでやり過ごし、しかも勝利に繋げる人も居るには居ます(たとえば驚異「万里の長城」を建造すれば歩兵系戦闘力は+1される為、「戦士」でも「剣士」と同等の戦闘力を持ちますし、「チンギス・ハーン」を指導者にして「戦士」3体に戦術「重騎兵隊」を採用すればそれだけで戦闘力は7になります)。しかしこれはあくまでも上級者だからできること。初心者がそうそう真似できるものではありません。また、これらは決め打ちに近いものである為、採用するにもなかなかに綱渡りの戦略が必要となります。できれば「騎士」、最低でも「剣士」の技術を採用し、部隊を強化しましょう。なにより、貴方がそれらのカードを取らない場合、対戦相手はそのカードを取る権利(しかも場合によってはより少ない白丸で)があるのです。
3.鉱物生産を最低でも3以上にすること
鉱山2つでも構いませんが、その場合は最低でも1つは鉄にアップグレードすべきですし、無いなら無いで鉱山を追加するか驚異や指導者の力によって3は確保すべきです。ただ、鉱山2つはやや決め打ち気味なので、基本的には鉱山を3つに増やす方が私個人としてはオススメです。とはいえ、実のところ3では厳しい。「レオナルド・ダ・ヴィンチ」や「クレオパトラ」「アショカ」など、鉱物生産を増やせる指導者を採用して3.5程度まで押し上げた3が実際の下限ぐらいでしょうか。白丸が5つあるなら黄色の内政カードを取って補う事もできますが、初心者向けではない気がします。人口押しができる場合には「鉄」をパスして「青銅」4の体制をとるのも割とありだと思いますが、この場合は時代Ⅱに「石炭」をなんとしても取りに行く必要が出てきます。植民地が4つ以上確保できるのであれば驚異「スエズ運河」辺りでもどうにかならなくはないですが・・・決め打ちですしオススメしません。
4.「灌漑」か「鉄」、どちらか一方は取ること
どっちも初期のまま時代Ⅱに突入するのはやはり厳しい展開です。例外は指導者「ジェームズ・ワット」を時代Ⅱに採用できた時か、植民地のおかげで黄丸が3つ以上増えてて「農業」2だけで時代Ⅱでも食糧が毎ターン増えるよ~って時ぐらいだと思います。
できる限りした方が良いこと、しない方が良いこと
上の3つはほぼ最低限しておかなければならないことですが、他にもした方が良いこと、しない方が良いことはいくつかあります。それを挙げていきましょう。
・研究力を3以上にしておくこと
2のままでも多めの白丸があればどうにかならないわけではありませんが、勝ちの目はやはり薄くなります。驚異や哲学から錬金術へのアップグレードで研究力を出しましょう。「印刷機」は勝利点である文化を直接産み出しますが、幸福を生み出すわけでもなく科学力は1しか出ない為、はっきり言えば旨味に欠けます。
・植民地を1つ取っておくこと
「先住者のいる領土」「広大な領土」「発展した領土」どれかは欲しいです。人口増加や幸福にかかってくる黄丸を増やす植民地は重要度高い。「灌漑」を採用できている場合は「歴史的領土」でも良いです。つまるところ、不満のない人口を増やす余地と人口ブーストが欲しい。「灌漑」が採用できている場合は他の文明と比較して既に人口増加が早いでしょうから、「歴史的領土」が産む幸福1は代替になります。また、それに加えて「パンとサーカス」があるなら、「豊かな領土」で得た鉱物6を活かしてそちらに人口を突っ込めばやはり代替になります。
・指導者を乗り換えること
時代Aの指導者が特に使いやすく、反面良いタイミングで好みの時代Ⅰの指導者が周ってこなかった・・・というのはよくあることですが、できれば乗り換えておきましょう。ランダムミックスでない基本ゲームの場合、「ミケランジェロ」は罠です(弱いというより使いこなすのが難しい)。
・初期の侵略の為に内政をガタガタにしないこと
初期の侵略は確かに効果的で上手く決まればそれだけで対戦相手1人を勝ち負けが厳しい状態に追い込める事すらあります(「急襲」による「錬金術」の破壊、あるいは「奴隷化」で人口が減った次ターンにまた侵略を食らって再起不能となるパターン)。一方でこのゲームは時代Ⅰの侵略で直接的に得られる利益は大きいものではありません。「奴隷化」ですら食料2+鉱物2しか得られません。「戦士」1体分でしかない。初期の侵略は自身が直接的に見返りを得るというよりは対戦相手の誰かを蹴落とす為の物だと考えた方が良いでしょう。
基本的な1,2ターン目の進め方
1ターン目は
「都市成長」が手札にあるか「クレオパトラ」が指導者である場合、個人的には2つ目の「哲学」から作るのがおすすめです。そうでない場合は素直に3つ目の「青銅」を作るのがいいでしょう。指導者を採用するのは確かに重要ですが、たとえばその後に手札の色の種類が1つしかないなら「アショカ」は1ターン後の採用にしてもいいでしょうし、そのターンに技術カードを取るつもりがないのであれば「アリストテレス」でも同様に1ターン後の採用にしてもいいわけです。よく考えて採用しましょう。気を付けなければならないのは「アレキサンダー大王」「ユリウス・カエサル」「孫子」辺りを採用したプレイヤーが3ターン目に2つ目の「哲学」あるいは3つ目の「青銅」を作らず軍事ユニットを作りにいくパターン。侵略を狙っている可能性が高いです。ボーナスカードを1枚キープしておくなり、早めに「剣士」や「騎士」を開発し採用するなり、なんらかの対策を考えておくべきでしょう。
3,4ターン目の状況
幸福の追加があるか黄丸が増えていない限り、9体目の人口ユニットは不満を抱えて誕生するはずです(たとえば「戦士」1、「農業」2、「青銅」3、「哲学」2の状態で次の人口ユニットは不満を抱えて誕生します)。このユニットの為に慌てて「寺院」などを用意する必要はありません。時代Aイベント「宗教の発展」で無料で「寺院」が建設できる事もありますし、幸福が増える驚異の建造が途中であれば、そちらを優先すれば良い事です。運良くよさげな植民地を獲得できる事もあるでしょう。また、先述の「パンとサーカス」は技術コスト、鉱物コスト共に3と安く幸福2が手に入り、非常に汎用性が高く終盤までお世話になる事も多いです。獲得を検討するのも良いでしょう。
その他、特筆して注意すべきこと
「アレキサンダー大王」を採用した対戦相手が1,2ターン目に2体目の「戦士」を早々に作った場合、2つ目の「哲学」よりも2体目の「戦士」を優先して作った方がいいかも知れません。初期の侵略を企てている可能性が非常に高いです。
「孫子」を採用した対戦相手が居る場合、白丸2つ、場合によっては3つ使ってでも「騎士」を取りに行く事を考えた方がいいです。「孫子」は場を離れた時に採用していた戦術に軍事力+1の追加ボーナスを与えるので、ただでさえ強力な戦術「中世の軍隊」(騎兵系ユニット1+歩兵系ユニット1、軍事力2)が軍事力3の威力を持つ恐れがあります。「孫子」を使っているプレイヤーの動向にはくれぐれも注意を払いましょう。
「ユリウス・カエサル」は2回連続軍事アクションを行えるので僅かな軍事力の差でも侵略を成功させられる可能性があります。間違っても「国境開放条約」を「ユリウス・カエサル」と結ばないようにしましょう。
時代Ⅱ
時代Ⅱにしなければならないこと
・時代Ⅰで「灌漑」を取らなかった場合は「品種改良」を、「鉄」を取らなかった場合は「石炭」を取りましょう。
これはほぼ必須です。時代Ⅲにもなって「農業」または「青銅」では勝ち目は無いも同然です。食糧の方は唯一、驚異「オーシャンライナーサービス」の建造に成功した場合のみ、最終盤まで「農業」だけで行けます。但し、飢餓を防ぐ為に時代Ⅲ後半~Ⅳには「農業」を1つ増やす必要が出てくるでしょう。時代Ⅰのところにも書きましたが、「灌漑」も「鉄」も無い状態で時代Ⅱまで来た場合、指導者は「ジェームズ・ワット」最優先です。
・最低でも白丸を5つ、赤丸を3つにしましょう。
時代Ⅲでは白丸3つを消費しての「空軍」や「コンピュータ」などの取り合いが当たり前です。「愛国」や「予備」を取る為に同様に白丸3つが費やされることもしばしばですし、時代Ⅲの驚異ともなると大抵は2つ目3つ目、場合によってはそれ以上になるので、取るだけで多くの白丸を消費します。その事を考えれば白丸は正直5つでも足りないです。赤丸も同様で、文化を巡る戦争では赤丸3つを消費するので、実際のところは非戦決め打ちでもない限り赤丸3つではこれまた足りないです。というか、非戦決め打ちでも3つだと大抵は食われる側になります。時代Ⅱの時期に白丸5つ、赤丸3つは最低の最低限と言えます。まぁ、自分はその最低の最低限に足りずに時代Ⅲに突入しちゃうこともあるんですけどね・・・。うんち!!
・軍事の系統を増やしましょう。(「剣士」を取っていない場合、「銃兵」を取りましょう。)
時代が下れば下るほど戦術ボーナスは大きくなっていきますが、大抵の戦術は異なる軍事の系統に跨ります。追記すれば複数の軍事系統に跨る戦術の方が軍事力ボーナスが大抵は大きい。採用する戦術が結果的に「軽騎兵」(騎兵ユニット×2、軍事力2+その技術が所属する時代と等しい追加軍事力ボーナス)、「要塞戦」(砲兵ユニット×2、軍事力5)、「機動砲兵」(騎兵ユニット1、砲兵ユニット1、軍事力5)になってもそれはそれで構いませんが、結局のところ歩兵ではない軍事の系統を増やすという点では変わりありません。また、時代Ⅱの戦術は時代Ⅲに「空軍」さえ確保できればゲーム終盤でも相応に通用する物が多いですが、歩兵系統が「戦士」だと威力が半減してしまいます。ちなみに「剣士」も「銃兵」も取らない完全な騎兵系技術or砲兵系技術のみの決め打ちも可能と言えば可能ですが、博打要素が強いのでオススメしません。
時代Ⅲ
最もしなければならないこと
・他国の文化を戦争で奪いたい→「空軍」を開発して採用しましょう
・自国の文化を戦争から守りたい→「空軍」を開発して採用しましょう
「空軍」がクソほど強いゲームです。
時代Ⅱで少し触れましたが、いわゆる博打要素の強い騎兵系ユニットのみ、砲兵系ユニットのみの戦術でも空軍を積む事ができれば非常に高い火力を出す事ができます。たとえば「ロケット」6、「空軍」3で戦術「要塞戦」を採用している場合、軍事力は「ロケット」5×6+「空軍」5×3+「要塞戦」5×3+「空軍」による戦術ボーナス5×3で軍事ユニットだけで合計75の軍事力が出ます(戦術「軽騎兵」と「戦車」の組み合わせでも同様の軍事力が出せます)。ここに驚異、植民地、特殊技術、アリーナの軍事力が加わるのでもう少し軍事力は伸びるでしょう。
しかし、実際のところ時代Ⅲユニットをここまで量産するのは容易ではありませんし、そもそも「空軍」以外の軍事ユニット技術はそれぞれ2枚ずつなので目的のものがなかなか出てきてくれない事も多いです。とにかく受けは広い方がいいでしょう。
した方が良いこと、しなくても良いこと
・「灌漑」or「品種改良」が取れているならば「機械化農業」は不要です。「鉄」or「石炭」が取れているならば「石油」は不要です。取るとすれば最終ターンに使いどころが無い科学力を突っ込むか、他の勢力にそれをさせない為に取るぐらいでしょうか。基本的に「機械化農業」or「石油」を取る必要に迫られた段階で展開的には厳しいです。
・時代Ⅱの「立憲君主制」が取れているならば、「民主主義」「共産主義」「原理主義」は基本的に不要です。「立憲君主制」は白丸、赤丸のバランスが良くゲームの最後まで通用する非常に強い政体です。一方、未だに「専制」のままだったり時代Ⅰの「神制」を採用していたりする場合には時代Ⅲの政体を採用する必要が出てくるでしょう。時代Ⅰの「君主制」や時代Ⅱの「共和制」の場合は白丸や赤丸の数や科学力、対戦相手の動向などと相談しつつ、時代Ⅲの政体の採用や「軍事理論」「公務員制度」などの採用も考慮に入れるべきかも知れません。ただ、「公務員制度」はデッキに1枚しか入っていない為、それを当てにするようなプレイは避けた方が無難です。
・研究力と鉱物はできる限り余裕を持たせて下さい。
ギリギリで回している場合、このラウンドではまだどうやっても「空軍」を採用できないから確実に戦争に勝てる、軍事ユニットを追加できないから確実に戦争に勝てる、といった判断をされ宣戦布告を受けがちです。
ゲームを通じて重要なこと
・軍事力が最下位の状況で他のプレイヤーが政略アクションをする(または自分が政略アクションをする)という状況をできる限り避ける
軍事力最下位だと様々な軍事カードの被害を受ける恐れがあります。特に時代Ⅰの「恐怖時代」「不確定国境線」、時代Ⅱの「難民」「国際交渉」の対象となると辛いです。また、軍事力が最下位でなくても軍事力が低く手札の軍事カードが少ないと侵略の標的となる可能性が高まります。植民地獲得直後には軍事力が低下しますが、その際に攻撃されないよう特に気を付けましょう。一方で自分の手番の前のプレイヤーか自分の手番の戦略アクションで植民地カードが公開された場合、一時的に軍事力最下位になっても即座に軍事力を回復させられる手段があるのであれば、積極的に植民地を取りに行きましょう(一時的な軍事力低下の最中に侵略される可能性が消える為)。ただ、自分の手番の前のプレイヤーの政略アクションで植民地を獲得し軍事力が最下位になった場合は、前述の理由もあり、その後の自分の手番での政略アクションは避けた方が無難です(時代Ⅲのイベントカードは大きく勝負に影響を与えるものも多いのでそれでも踏み込む場合もありますが)。
・農場は早い段階から増やさない
基本的に農場は2つで回すものと考えて下さい。ただし、灌漑2かそれ以下で回す場合は黄色丸が少ないと中盤~終盤苦労します。時代Ⅱの後半から時代Ⅲにかけて、「やむなく」3つに増やす必要が出てくるかも知れません。ゲーム最終盤で飢餓が発生してしまう、という時にも否応なく3つに増やすことがあります。これはオーシャンライナーサービスのみで人口をどうにかしている時にありがちです。
・同系統の技術を基本的に何度も取らない(開発しない)ようにしましょう
単純に、それだけ研究力と内政アクションを無駄にするということになります。たとえば騎士→騎兵→戦車ではなく騎士の次は戦車を取る、錬金術の後はコンピュータを取る、と言った感じ。青系特殊技術であれば基本的に開発してもそれぞれ1回だけにしておくのに越した事はありません(時代Ⅰの戦闘を開発後に時代Ⅱの戦略や時代Ⅲの軍事理論を開発する事はちょくちょくありますが)。ただし、内政アクションに余裕がある場合は、石炭を取って(開発はしなくても良い)鉄を取ってないプレイヤーの邪魔をする、というプレイなんかもできます。
・文明は丸く育てるように心がけましょう
食糧、鉱物、科学力、軍事力、幸福、白丸、赤丸。その時々で何が足りていないのかを把握し、それを補うように立ち回りましょう。このゲームは長所を伸ばすよりも短所を減らす方が往々にして成功しやすいです。バランスを崩しても問題ないのは、終盤、文化を奪う為の戦争で軍事力全振りする時ぐらいでしょうか。
・それが出来れば苦労はしねェ!!!
ぶっちゃけ色んな事できないです。それどころか、ここまで書いた「しなければならない」事だってなかなかうまく行きません。だって皆勝ちたいし、自分より上級者いっぱい居るし。だからせめて臨機応変に「今1番足りないものは何か」「少なくとも直近の2,3ターンを凌ぐ為に何ができるか」を考えて動くようにしましょう。ゲーム最終盤では食糧も鉱物もあるのに幸福足りないから兵足りない、仕方がないから農場や鉱山潰して配置転換、なんてのも褒められたもんじゃありませんが、やらざるを得ない事だってあります。
プレイ中に気付いた小技的なこと、ちょっとしたテクニック
・植民地カードを仕込んでそれを取りに行く場合、軍事力に余裕があるならば予め植民地を取った後の事を考えた戦術を組み込む。たとえば騎士1体と戦士2体を持っていて、戦士1体を植民地獲得用に使うのであれば戦術は「ファランクス」ではなく「中世の軍隊」にしておいた方が安全です。直後にユニットを追加して元の戦術を確保できるのであれば、この限りではありません。
・平時の備えとしての軍事力と植民地獲得用の軍隊を分けて考えておく。これは要するに平時の軍事力とボーナスカード、驚異や技術の影響で植民地競争で他に見劣りしないのであれば、わざわざ高いコストをかけたユニットを植民地に派遣するより戦士1体で安いコストで大きな見返りを得たいよね!という事です。
・指導者「アショカ」を採用している場合、時代Ⅰの指導者は特に選り好みせずとっとと取ってしまう方が良いです。その上でできる限り時代Ⅰの終盤まで、手札の中にその指導者を残しておくこと。そうする事でアショカの指導者ボーナスを毎ターン得られる可能性が極めて高くなります。
・指導者「フリードリヒ大王」は軍事ユニットを生産する際、食糧と鉱物をそれぞれ1節約できる。それに加えて内政アクションを消費しない。これを利用することで、たとえば本来であれば食糧3(2)と白丸1で自由に使える人口を増やすところを食糧2(1)、鉱物1、赤丸2で自由に使える人口を増やせます。具体的にどういうことかと言うと、1.通常より1少ない食糧と鉱物1で赤丸1を消費し「戦士」を作る → 2.そうしてできた「戦士」を解散する。この一連の動作では白丸を消費しません。あとはこの解散後で手空きになったユニットを任意の場所に配置し直すだけです。